偏食

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東京ゴッドファーザーズ

東京ゴッドファーザーズ

東京ゴッドファーザーズ


このあいだパフリカを久しぶりに見て、そういえば私、東京ゴッドファーザーズ見てないな…と思ったのでレンタル。少し早めのクリスマスに。

内容は万人に好かれそうなストーリー。気軽に見れます。クリスマスにゴミ捨て場に捨てられた父親が定かでない赤ん坊というのは、イエスキリストに対する皮肉なのかなと思ってしまう。
ただやっぱり今敏作品、ディテールがすごい。どこを一時停止してコマ送りにしても完璧だった。3人のホームレスが赤ん坊を巡って走る走る、動く動く、時にはアニメならではのデフォルメ顔をうまく使ってコミカルに時にはシリアスに。すごく個人的な話だけど、今敏監督の映画、走る作画がめちゃくちゃ好きなんです。肉の塊がちゃんと動いてるって感じで。この映画はみんな走り回ってくれたのですごく満足。
毒の無いドタバタ映画、だと気を抜いて見ていたらビルの屋上での赤ん坊の「帰りたい」といきなり流暢に話す演出、ギョッとしましたし、やっぱり今敏作品だなあと思いました。

キャラクターもすごく良かった。ギンちゃんのホームレスにまで落ちぶれても他人から少しでもよく見られたいっていう気持ち、本当に人間臭さがでて良いです。ハナちゃんは非の打ち所がない良オカマ(良オカマ?) ミユキの成長っぷりは最後の屋上のシーンに集約されている。屋上での「本当の家族のところに帰りたいんだよ!」の台詞は、家族同然だと言い合うホームレス3人全員が心の底から叫びたかった台詞なんだろうなあ。